2022 年 11 月 のアーカイブ

2022年 買って良かったプラグイン その4「SSL Native Vocalstrip 2」

2022 年 11 月 14 日 月曜日

▶️Vocal処理に特化したチャンネルストリップ。

世間ではFUSIONシリーズや、4KBが話題だけど、今回はこの「SSL Native Vocalstrip 2

Solid State Logic(SSL)のチャンネルストリップはいくつか出てるんだけど、これは、ヴォーカルにフォーカスしたチャンネルストリップで、コンパンダー、ディエッサー、ディプローザーとEQが内蔵されている。

コンパンダーというのは、コンプとエクスパンダーのハイブリッド。
このプラグインの場合は、ヴォーカルをコンプレッションした時に増幅するブレスやアンビノイズを軽減してくれる。
また、コンプで潰したあとに、Make-up Gainで倍音を加えたりも可能なのもGood。

それと、ディエッサーでは、「S」(サ音)の抑制を。
ディプローザーでは濁音、半濁音の抑制してくれる。
ディエッサーはあっても、ディプローザーは他のプラグインではなかなか無い機能なので、これもとても助かるよね。
普段は波形を処理したりするんだけど、その手間もだいぶかからなくなった。

あとはEQ。これはヴォーカル帯域に特化したSSL EQが並んでるという、ありがたい機能ばかり。

EQでローカットしたあとに、このVocalstrip2を入れて、プリセットから合いそうなのを選んで、音を整えることも多かったのだけど、そのプリセットがよくできていて、特に、Male、FemaleともにPop Vocalはバッチリハマることが多く、メインヴォーカルには必ず入れてmixをしていた。ラフミックス段階でも、このプリセットにしておけば、困ることがなかったのも大きい。

ただ、残念ながら、現状はロゼッタのみで、Apple Silicon Nativeには対応しておらず。うちのメインDAWのMOTU DPの場合、Apple Silicon Native環境下で、ロゼッタプラグインを入れてしまうと、かなり引っ張られてしまうので、あまり多くのトラックに使えなかった。なので、よりメインヴォーカルに特化して使っている。

※20230104追記
遂にM1 Native対応!

🔽本家SSLで普通に買ってもいいと思うが、Plugin Boutiqueからもオススメ。現在、Fusionシリーズが82%オフ中。

※そういえば、2020年でも、SSLのプラグイン紹介してるね。

2020年 買って良かったプラグイン その4 「Solid State Logic X-Saturator」

MacOS Ventura 13.0.1アップデートで、文字入力がモッサリになっちゃった問題、解決。

2022 年 11 月 11 日 金曜日

▶️昨日、M1 MacminiをMacOS Ventura 13.0.1にアップデートした。そしたら、なんだか全体的にモッサリしていて、文字入力はさらにモッサリ。キーボードで文字入力すると、ワンテンポ遅れて入力される始末。

「失敗したー!」となんとなく後悔(いや、そうでもないか)しつつ、アクティビティモニタを見てみたら、8つあるCPUメーターの半分以上がフル。Twitterにも画像アップしたけど、左側4つはほぼ埋まってて、右側も半分くらい頑張ってる状態。アクティビティモニタによると、mds_storesとかmdsってファイルがだいぶ頑張ってた。mds_storesってSpotlight関連のファイルなので、バックグラウンド処理が終われば直るのかもしれないと思ってしばらくほっておいたら、CPUも、OS全体も少し落ち着いてくれたんだけど、文字入力のモッサリは無くならず。

仕事してる分には、CPUが遅くなった感は無いし、特に何も問題ない。問題があるのは、文字入力だけ。
2021年2月にM1 Macminiと一緒に買ったMagic Keyboard(テンキー付き)(右の画像の一番上)を、MacBookPro(Intel)の方に繋いでみたんだけど、やはり何の問題もない。そりゃ、OSアップデートするまで問題なかったんだしね。
で、試しに古い有線のApple Keyboardを引っ張り出して繋いでみたら、まんまとサクサク文字が打てるようになった。やっぱりBluetoothのせいかなーと。ひとまずちゃんと文字が打てるようになったので、キーのストロークが若干違うので不思議感はあるものの、次のバグフィクスまでコレで待つかと。

まぁ、そんな話を今日妻にしたら、「私の使ってみたら?」と言うので、2021年の6月に買ったMagic Keyboard(テンキー付きJIS)(右の画像の一番下)をBlutoothで繋いでみたら、なんと普通に動いた…。
どーーーーなってーるのーーー。
買ったのは4ヶ月の差だけど、表示も違うから、きっとなんか違うのかも。

有線キーボードでしばらく過ごして、次のMacOSアップデートを待とうと思います。
同じようにおかしいと思う人が出てくるかもと思ったのでブログにしておきます。

って、昨日書いたんですが…
なんと▼

🔽解決しました!

20221112追記。
ふと思い立って、キーボードを再認識させたらなんと解決しました!
右の画像のBluetooth設定で、Magic Keyboardの右にあるℹ︎マーク部分をクリック。
「このデバイスのペアリングを削除」をクリックして、一旦Bluetoothから削除します。
キーボードの電源をオフ、オンして、再度Bluetoothで接続し直すと、問題なく文字入力が出来るようになりました。
参考まで!

※Safariでリーディングリストを開くと一番上じゃなくて真ん中らへんが表示されるの直ってなくて残念。

2022年 買って良かったプラグイン その3「KORG wavestate native」と「KORG opsix native」

2022 年 11 月 11 日 金曜日

▶️ハードからソフトへ

リリースされた時にもブログにした、wavestate nativeopsix native
今年作った曲では、どちらも100%の登場率。プラグインの方が使いやすくて、もうほぼほぼプラグインで。いや〜、だってEDITが圧倒的に楽でー!

新しいシンセなので、ハードとソフトでDAで音が違うというのもほぼほぼ感じない。か、あっても許容範囲。音の良いAudio Interface使ってる場合、そっちから出る音の方がイイのかも?という気もする。

ただ、どちらも若干音が違う。wavestateは、DAの質の問題ではなくて、多分ソフトウエア的な部分だと思うのだけど、4レイヤーの音の混ざり具合が、ソフトの方がスムーズに混ざる。オケ中で聴いてみると、ハードの方が音の混ざり具合が多少雑な感じ。CPUスピードやサンプルの読み込み時のばらつきなのかも?そのアタックがちょっと違うお陰なのか、ハードの音の方が若干抜けてくるのが面白い。音の立ち上がりのまとまり感は、ソフトの方が使いやすい音な気がする。

opsixの方は、一番の違いがあるのはベロシティかなと。やっぱり実機で弾くのと、MIDI鍵盤で弾くのとで違う。まぁ、この辺は弾き方次第でいくらでも調整できるけど、実機の方が当たり前だけど「楽器」って感じがする。

ライブではハード、楽曲制作はソフトという分け方でもいいと思う。
ハードは重量も軽いからねー。持ち運びは軽い方が楽!

ハードを持ってる人は、クロスグレードで買うのがお得。

wavestate native

2020年にリリースされたwavestateのプラグイン版。

KORG WAVESTATIONの進化系で、4レイヤーでベクターコントロールも健在。ウェーブシーケンスも2.0に進化して、WAVESTATIONのチャカポコした難解で不思議なシーケンスだけではなく、ある程度理解しやすい設計に。時間軸で変化していく音はさらに複雑にすることも出来るので、より面白い音を作り出すことが出来るようになった。もちろん、ランダムモードも搭載。ウェーブシーケンス上で、サンプルをランダムにしたり、シーケンスをランダムにしたりも。このランダム機能が結構面白い。

KRONOSやNAUTILUSで使われてるPCMがそのまま使われているのかな?と思うくらい音がイイのだけど、4レイヤーなので、普通の音もゴージャス。実は、普通にPCMシンセとして使うのもアリなのだけど、あまり知られてなかったりするのは、プリセットが面白い音ばかりだからなのかもしれない。是非、INITから自分で音を作ってみてほしい。普通の音もしっかり入ってることに気が付くはず。

それと、自分でWAVのマルチサンプルも追加できるので、サンプラーとしても活用できる。自分で取り込んだサンプルと、もともとwavestateに入ってる音をレイヤーしてさらに新しい音を生み出すのも簡単だし、全鍵違うサンプルを置いて、ドラムマシン的にも使えたりする。これが結構ハマってしまってかなり楽しい。wavestateならではの他のサンプラーとは違う音色を作るのにはもってこいだと思う。ただ、こういう使い方の場合はハードの方がハマる気がするね。プリセットもサンプルも共通なので、どちらを使ってもいいのが助かる。
ただ、1つ困るのが、サンプルを取り込む時に使うSample Builderに、サンプルのループ設定が無いこと。取り込んでからwavestate内でどうにかするか、あらかじめ別なソフトで作っておくか、ループしなくてもいい音色にするか、ループ時のプチノイズを味として割り切るか。などなど。

とにかく面白いシンセなので、使ってみてほしい。

▶︎ハードのwavestateは、KORGにインタビューしてもらえたので、そちらも参考に。
https://www.korg.com/jp/features/artists/2021/1124/

KORGのオフィシャルページにて「山木隆一郎「wavestate」インタビュー」が公開されました。ムービーもあります。

▶︎KORGのYouTubeでも音色をいくつか紹介したので、こちらもチェック。

opsix native

6opのFM音源と、VA、セミモジュラー、Waveshaping、Subtractiveに、Additiveまで混ざった音源。
さらに、ポリフォニックモーションシーケンスと、モジュレーションマトリックス、さらに30種類のエフェクトで、単純なFM音源ではないのが、このopsix。

EDITしやすいFM音源でもあるので、FM音源を理解するには、このopsixを使って勉強すればバッチリだと思う。驚くほど簡単に覚えられるはず。

プリセットがとくかく秀逸で濃く、FMとしてもVAとしても即戦力で使える音でが満載。
使ってるうちにどことなくYAMAHA FS1Rを思い出したんだけど、なんとなくタイプはちょっと似てるのかもしれないね。

そうそう、ハードのopsixは、初代YAMAHA DX7のsysexデータも読み込めて完全再現出来るのだけど、ソフトの方は、sysexのimportが無さそうな気がする。マニュアルにでも見つけられなかったのだけど、誰か知ってる?
機能が無いと仮定して、これをやるには、ハードで読み込んだのち、そのデータをソフト側のUserバンクに入れることで出来るとは思うけど、直接importするやり方を知ってる人がいたら教えてほしい。やっぱり現段階では出来ないよって場合は、次のバージョンで出来るようになるといいな。

ソフト版のリリース初期は、いくつかバグがあって、ハードじゃないとダメかー?と思っていたのだけど、今のバージョンでは何の問題もなくなったのでガッツリ使うようになった。ノブやスライダーは、MIDIコンで。
うちでは、Novation LaunchKEY49 mk3がメインなので、それのノブとフェーダーを使ってる。

KORG opsix導入しました。

▶️RYPPHYPEでもガッツリと。

■RYPPHYPE / バーボン and コーヒー
配信先一覧:https://bit.ly/3JCOohe

▶︎opsixとwavestate、両方使ってるのが、このバーボン and コーヒー。

■RYPPHYPE / Brand New Life
配信先一覧:https://bit.ly/2ZBOWBP

▶︎KORGのインタビューでも話をしたけど、wavestateを使ってる曲。この曲は、同じKORGだとminilogue XDとWAVESTATIONも使ってる。途中のFMエレピはopsixではなくYAMAHA DX7II。

🔽KORG wavestate nativeとopsix nativeのお求めはKORG Shopのダウンロード直販で。

20221123追記
KORG Collection 4がリリース。
MicroKORG、ELECTRIBE-R、KAOSS PADが追加。
同時にブラックフライデー開始。wavestate native/opsix nativeも対象。

KORG wavestateとopsixがプラグイン化!

UVIから、「IRCAM Prepared Piano 2」リリース!C7グランドピアノをベースに、鍵盤ごとに45種のプリパレーションを収録!

2022 年 11 月 10 日 木曜日

▶️「IRCAM Prepared Piano 2」は、究極のアバンギャルドピアノ音源!

UVIから、IRCAM Prepared Pianoが約10年ぶりにver.2へ大幅アップデート!
IRCAM Prepared Piano 2は、YAMAHA C7グランドピアノの弦の上に、ネジ、消しゴム、硬貨、洗濯ばさみなどを挟んだり、iPhoneや、紙、アルミ箔などの45種類のプリパレーションに、スティック、マレット、撥、弓、さらにはEBowで弦に振動を与えた音、さらにボトルネックを弦にスライドさせたり、ピアノの金属フレームを叩いたり、ピックで弾いたり、ひっかいたりしたものをサンプリングして、それぞれ鍵盤ごとに設定出来るようにした、かなり変わった音源です。

普通のYAMAHA C7グランドピアノ音源としても、高いクオリティなのは言うまでもないのですが、バー・ヒット、ウナコルダ、ソステヌート、ダイナミクスとベロシティ、および2つの独立したマイクポジションのミキシングを利用して、基礎的な響きを構築し、ノートごとのレベルとピッチのディスクリートコントロールに、ノートごとに2つのプリパレーションのレイヤーが出来てるという、変わったもの好きには、まさに夢のようなピアノ音源!

かなり大好きな音源で、普通のC7ピアノ音源としてもよく使ってます。
ミュートやハーモニクスもGOOD。

▶︎さて、公式デモソングです。
100%、IRCAM Prepared Piano 2のプリセットで、14音色を使用してます。
今回は、ビョンってスティックで叩いてる音がちょっとFM音源っぽいなと思ったのと、最近、チャーリー・プースもやってたなーと思ったので、日本人丸出しのコード進行で作りました(笑)
ドラムっぽい音は、ピアノのどこかを叩いてる音なんですが、音程に合う音を探すのが大変でした。

UVI · IRCAM Prepared Piano 2 by Ryuichiro Yamaki

ver.1の時のオフィシャルデモはUVIから無くなちゃったみたいなので、Extended Versionを貼っておきます。ドラムはUVI Electro Suite

Ryuichiro Yamaki · UVI IRCAM Prepared Piano Demo Extended Version.

🔽気になる!という方は、UVIからダウンロード購入を。
日本語サポートが受けられますので、安心して購入出来ますよ。
日本国内で買う場合は、beatcloudなどのオンラインショップにて。
また、UVIのサブスクリプションSonic Passのメンバーは、即ダウンロードできます!
使用するには、最新のUVI Workstation(無料)、もしくはUVI Falcon(有料)が必要です。

ではでは、そんな感じでー!Enjoy!

UVI IRCAM Prepared Piano.

MOTUの新しいオーディオインターフェイス「M6」が11月13日にリリース。代理店のハイリゾリューション直販は、11日から出荷開始!

2022 年 11 月 9 日 水曜日

▶️MOTU M6

先日、MOTUから、Mシリーズの新しいオーディオインターフェイス「M6」が発表されました。
それの発売が13日に決定しました。

MOTU M6は、4系統のマイクインプットと2系統のラインインプット、4アウトプットの、USB-Cオーディオインターフェイス。
このMシリーズは、ESS Sabre32 Ultra DACというDAコンバータを使用していて、
同クラスの価格帯のオーディオインターフェイスとしては、最高の音質をだなと思います。

2in/2outのM2、4in/4outのM4ときて、今回はM6。
M6は、アウトプットは4系統ですが、M4とは違い、2セットのスタジオモニターを繋ぐ用に、A/B切り替えスイッチが付いてます。
うちもそうですが、いくつかのスピーカーを切り替えながら音を整えていくので、
こういうモニターコントローラー的な機能が付いてくれるのは嬉しいですね。

うちには、M2とM4があるのですが、
普段、家では、Mojaveまでしか動かないソフト/プラグイン用、または持ち運び用として使ってるMacBookPro(Intel)にM4が、
M1 MacminiにはM2が繋がってます。

出先でのチェックや、イベントなど、持ち運び用途としても非常に軽く、出音もすごくいいので、
メインのシステムと違和感なく作業が出来るところが気に入ってます。
あと、OSのシステム音(ミュージック(iTunesとかアマプラとか))は、M4/M2から出力して、
メインのオーディオインターフェイスは仕事用に集中という使い方もしてます。
やっぱヴォリュームノブを分けられるのって、便利だなと思って。
Loopback機能もついてるので、Youtubeなどの動画撮影者にも最適かなと思います。
うちのM4にはRODE Wireless GOが常時つながってますが、
M6では、4つのマイクを同時接続出来るのも魅力的です。
練習スタジオに持っていって一発録りもありかなと。

特に設定アプリがあるわけでもなく、細かい設定とかも必要ないので、
音量調整ノブとスイッチ押すだけで簡単に使えます。

とにかくオススメです。
メインとしても、サブとしても1つあると便利。
いや、1つでも2つでも。なんなら3つでも。

スペックなどの詳細は、代理店のハイリゾリューションのページをご確認ください。
https://h-resolution.com/product/m6/

ハイリゾリューションによると、直販は11日から出荷開始とのこと。
MOTU M6のお値段は、現時点で69,300円。
詳しくはこちらを。
https://h-resolution.com/product/m6/

ちなみに、M2は31,900円M4は44,000円です。
くっ、円安め。

2022年 買って良かったプラグイン その2「Baby Audio. Baby Audio Bundle」

2022 年 11 月 6 日 日曜日

▶️Baby Audio.というメーカー。

Baby Audio.は、2019年から活動しているデンマークにあるプラグインメーカー。
日本でも今年からbeatcloudで発売されてるので、ご存知な方も増えてきてると思う。

うちでも、昨年の夏にPlugin Boutiqueで無料で配れてたI HEART NYというプラグインを使ってみたら、かなり気に入ったので、年末に全部入りのBaby Audio Bundle(当時はAll Plugins Bundleという名前だった)を手に入れて、さらに、今年リリースされたCrystallineと、I HEART NYのバージョン2であるIHNY-2をアップグレードした。
※Bundleから最新のBundleへのアップグレードは今のところ用意されていないので、その後は個別に購入を。

全プラグインがApple Silicon対応というのもポイント高い。
今回はそのBaby Audio.のプラグインが全て入った、今年の「Baby Audio Bundle」をご紹介。

▶️Baby Audio Bundle

Baby Audio.からリリースされている、全8種類(2022年11月現在)のプラグインをすべてバンドルしたパッケージが、Baby Audio Bundle
昨年買った時は7種類だったので、今年は1つ増えた。新しいメーカーなだけあって、どれも変わってて面白いし、音もすごくいい。内部では複雑なアルゴリズムで動いてるけど、インターフェイスは複雑じゃないところもいい。
アレンジ段階で積極的に音を作っていく時も、MIXで繊細に作る時も、どちらでもいけるので、今年はテンプレートにガッツリ入れて使っている。

今回は全8種類と少ないので、少しづつ全部紹介。

IHNY-2(I Heart NY):パラレルコンプレッサー

Baby Audio.と出会うきっかけになったのが、この左のI Heart NY。右の新しいバージョンは名前が変わってIHNY-2になったのだけど、だいぶ見た目も変化して、大幅にアップデートした。というかもう別物として考えてる。

IHNY-2は、ガッツリしたハードコンプレッションを、パラレルシグナルを内部でチェーンしてくれる優れもの。パラレルコンプって実はMIXではよくやるんだけど、簡単に言うと、同じ音を別なチャンネルでコンプレッションして、原音と混ぜることなんだけど、これをやることで、パンチ力のある押し出しの強い音になったり、深さが出たりする。このIHNY-2は、XYパッド上で2つの信号のバランス、MIX具合の調整を内部でやってくれるので、別トラックに作業する必要がなくなる。さらに、Autogainが働いてるので、音が破綻しないのもあり、目立たせたいトラックに使うのも良いし、各種バスにも使えるし、マスターにがっつりかけちゃうっていう手もあるという、何とも便利で簡単。難しいことを考えずに、XYパッドを動かすだけっていうのもお気に入りのポイント。

TAIP:テーププラグイン

最初は見た目が気に入って使い始めたんだけど、使ってるうちにハマっていく最高なテープエミュレーションプラグインのTAIP
見た目だけじゃなくて音もすごい良くて、かなりアナログテープっぽくなるのが特徴。
ツルっとした現代的な見た目だけど、音は男らしい。AIを利用したアルゴリズムを使ってるようで、アナログテープの動作をシミュレーションしているのだけど、今までのテーププラグインとはやっぱりちょっと違う印象。
でも、とても温かく、エネルギッシュなサウンドにドライブするのが大好き。

Smooth Operator:ダイナミックEQ的なインテリジェント・スペクトラル・バランサー

すごいポップでシンプルな見た目に見えるけど、内部ではガッツリ働いてるタイプのプラグインのSmooth Operator
シルキーなコンプEQ処理、スムーズなトーン成形、絶妙な馴らし、最高。これ、ちょっとこれ以上の言葉では説明しずらいので、まずは使ってみて。

Spaced Out:スペース・エコー

見た目よくわからないけど、なんだか未来的ですごそうっていうエコープラグインのSpaced Out
16ステップのディレイシーケンサーと、リバーブ、モジュレーションを組み合わせたプラグインで、従来のエコープラグインの先を行くFXジェネレーター。変わったディレイ処理は、まずこのプラグインを立ち上げてみることが増えた。

Super VHS:ローファイ・マルチFX

ローファイプラグインは数あるけど、これはちょっと変わってると思うSuper VHS
VHSって名前に入ってるだけあって、モロにそういう音。ノイズ、カセットテープサチュレーター、リデューサー、JUNOコーラス、Drift LFO、Badhallリバーブに、EQとビットクラッシャー、最後にリミッターが入ってるので、通すだけでトリップ。Magicボタンは、JUNOコーラスのエミュレーションなんだけど、押すだけで「わーお」って言っちゃったくらい。

Parallel Aggressor:パラレルエンハンサー

IHNY-2はパラペルコンプだったけど、こちらはパラレルエンハンサーのParallel Aggressor
3つの信号を分割して処理、ミックスして、分厚くて濃いトラックを作ることが目的。これまたパンチが出るので、IHNY-2とは違うトラックで使うと面白いはず。

Comeback Kid:クリエイティブディレイ

わりとオーソドックスなディレイのComeback Kid
インターフェイスが80s的なので、わりと当時のデジタルディレイからヒントを得ているのだと思う。面白いのは、ロゴをクリックすると「オフモード」というのになって、ディレイエンジンを無効にしつつも、音は色づけするモードがあること。バイパスではなく、色付けは残る。ハードだとバイパスして通すだけって普通のことだけど、プラグインだとなかなか無いとよね。

Crystalline:アルゴミカルリバーブ

今年からリリースされた新しいプラグイン。アルゴリズムリバーブの進化形、Crystalline
とにかく綺麗なリバーブ。リバーブのAttackとDecayがテンポ同期するので、より楽曲に合ったリバーブを簡単に作ることが可能に。しっかり溶け合ってくれるので、本当によく使ってる。箇所箇所で長いリバーブで飛ばしたり、クリーントーンのギターアルペジオに使ったり、ドラムやベースへのRoom、もしくはGate Reverbとしても使ったりもOK。

🔽お求めはbeatcloudで。

円安なので、日本で買のがお得だと思う。あと、単品よりもBundleで買う方がだいぶお得。だけど、必要だと思うものだけ買うのもいいよね。
▶︎beatcloudはこちらから

▶️オマケ。

Baby Audio Freebies

機能を縮小したフリープラグインも配布されているので、まずはこの3つのフリープラグインから試してみるのもいいかも。Spaced Outの機能縮小した「Magic Dice」や、Super VHSのJUNOコーラス部分のみの「Magic Switch」、Comeback Kidの簡易版「Baby Comeback」の3つが公開中。

▶︎ブラックフライデー、本家Baby Audioのサイトでは51%オフが開始。
▶︎Plugin Boutiqueでもブラックフライデーセール中
▶︎日本の代理店でもブラックフライデー開始しました。beatcloudでお求めください。

2022年 買って良かったプラグイン その1「Cherry Audio Dreamsynth」

2022 年 11 月 4 日 金曜日

▶️Cherry Audioというメーカー。

低価格シンセがメインでありながら、音もなかなか良くて使い勝手のいいシンセを作るメーカー。
一昨年から始めた、この「買ってよかったプラグイン」シリーズでは、毎年何かしら紹介しているし、他のメーカーと比べて、とにかく安いので、持ってる人も多いかもしれない。
最初の頃は、アナログシンセのエミュレーションプラグインを作ってるメーカーってイメージだったけど、このDreamsynthから、そのイメージも変わったので今年も取り上げた。

Dreamsynth

エミュレーションではなく、Cherry Audioのオリジナルシンセで、今年3月にリリース後すぐに買って使い倒している。
1つのオシレーターごとに、2つのWAVE(VAとPCM波形)を混ぜて使えるというデュアル波形オシレーターが3系統。さらに、フルポリフォニックのアナログストリングスオシレーターも付いた合計4系統のオシレータを使って音を作るという、ゴリゴリのPCMシンセ。
この辺のVAとPCMのハイブリッド感は、ちょっとRolandっぽいのかもしれないなと。

PCM波形は、Ensoniq ESQ-1、KAWAI Kシリーズ、SCI Prophet-VSなどからサンプリングされたもの。
全体的になんとなくEnsoniqの香りがする音が多い気がするんだけど、最初に名前が来てるあたり、比較的多めにサプリングされてるのかもしれないね。
フィルターはOberheimスタイルの-12db/オクターブ・マルチモード。モジュレーションも、エフェクトも充実。もう言うことなしのスペック。
あと、去年紹介したEight Voiceもそうだったけど、バカでかいインターフェイスなので、すべてのノブが見えてるのがイイ。1画面で見渡せるのは非常にやる気にさせるよね。

いやー、ほんとにPCMシンセって大好きで。
Dreamsynthは、生楽器はほとんど入ってなくて、シンセオシレーターばかりなんだけど、それを自由に組み合わせて作られている音は、アナログシンセやFMシンセとは全然違うモノ。
そこがさらにCherry Audioならではの独特の世界観を押してる気がする。

願わくば、次のバージョンでオシレータをさらに増やしてもらえたらと。そうしたらさらに音色の幅が広がるだろうと思う。期待したい。

お求めはbeatcloudで。

■20221119
・Ventura対応のVer.1.4.0がリリース。

🔽Cherry Audioは、先日、4opのFM音源「Sines」をリリースしたばかりだが、さらに11/22に新製品をリリース予定。渋谷の風景だし、Blade RunnerっぽいのでCS-80かな?こちらも期待したい。

▶︎ブラックフライデーセールはあったらお知らせします。

2022年 買って良かったプラグイン その0。昨年のおさらいから。

2022 年 11 月 1 日 火曜日

▶️Apple Siliconネイティブ2年目。

ブラックフライデー、ブラックノーベンバー、その後のサイバーマンデーと、言い方はいくつかあるけど、年末までセールが続く月間に突入。

ってことで、昨年に引き続き、各社プラグインのApple Silicon対応を待ち続けてるのだけど、なんだか少々鈍化してる気がする。
大手でもなかなか難しいみたいで。もしかすると、もう対応させる気が無さそう?とか、ああ、やっぱりディスコンするのか、とか、いろいろあって、Apple Silicon Nativeではないプラグインはほぼ使わなくなってきたというのが現状。
とはいえ、Rosettaでも動かないものは、もう諦めてもいいのだけど、まだリリースしてない古い楽曲で、特徴的な音を出しているプラグインは残しておかないといけないかも?というのもアリ、ディスコンが決まったものから、古いIntelMacにもインストールをし始めた。
デベロッパーには是非頑張っていただきたい!

🔽ってことで、今回は第0回。

昨年書いた「2021年 買ってよかったプラグイン」が、今年はどう使ってるかを書き殴り。

2021年 その1「WAVES」
Wavesに関しては、まー、かなりよく使うプラグイン達だと思う。この1年でだいぶ使い倒してみて、比較的安定しているので安心感もあったり。
悩んで、結局これ挿しておけばいいか。とか思ったこともしばしば。
一番使ってるのは、やっぱSSL EV2かな。

2021年 その2「GForce OB-EとCherry Audio Eight Voice」
GForce OB-EもCherry Audio Eight Voiceも、Apple Silicon対応はしたものの、
無印M1だとそこそこ重い(多分ProとかUltraだと余裕)ってこともあって、
プロジェクトがかなり進んだ段階だと使おうっていう気がしなかったのと、
あまり合いそうな曲を作らなかったというのもあり、今年は出番がほとんど無かった。
最初からこのシンセありきで作った方がいい気がするので、今後、どこかで使いたい。
音はイイんだ。本当に。

▶︎Cherry Audioはそもそも安いので持っておいて損はしないよね。
あと、11月22日に新製品発表予定!ティザーの背景が渋谷。

▶︎GForceはセール中
さらに、本日Oddity 3がリリース!
うーん、せめてOddity 2をApple Silicoon対応させてから、3にして欲しかった!
音はイイんだ音は!
アップデートは£24.99。うーん。KORGのもあるしなー…。
KORGのは、状態のかなり良いARP ODYSSEYなイメージで、このGForceのは、ちょっとダーティーなイメージ。

GForceは、代理店をHigh Resolutionがやってるので、日本語はそちらをチェック。
https://h-resolution.com/product-category/gforce-software/

2021年 その3「GOODHERTZ Panpot」
ミックスでよく使ったプラグイン。
通常のPANじゃないなと思ったトラックにピンポイントに使う。

▶︎日本円で買うのはbeatcloudで。

2021年 その4「Expressive E arché collection」
Expressive E Touchéを今年もよく使ってるんだけど、archéも何度か曲で使った。
TouchéのコントロールプラグインであるLieがまだRosettaなので、うごくけど重い。
Rosettaのプラグインは弾いたら早々にAudio化。

2021年 その5「Leapwing Audio ULTRAVOX」
ヴォーカルにはコレ。もう間違いなくコレ。
わりと最終段に入れて調整するとうまくいくと思う。

2021年 その6「UJAM Groovemate ONE」
音のバリエーションが少ないのもあって、出番は少々だけど、本当にお手軽。

2021年 その7「Plugin-Alliance Brainworx bx_limiter True Peak」
なんだかんだでトータルで使うのは、コレか、コレじゃないヤツか、最近は2択。
トラックごとのリミッターはまた別ね。

2021年 その8「Xfer Records Serum」
前回、その8の「まとめ」でチラっと書いたSerumなんだけど、
この手のエレクトリックな音を今年はよく使った。
歪んだギターとは違う帯域で鳴らす音が多かったんだけど、大人気なのがよくわかる。
便利なシンセだと思う。

■とまぁ、そんな感じで。
各社セール始まったら、追記するかも。

次回から紹介開始です。
今考えてるから、もう少し待ってね。

▼2021年のおさらいはこちらから。

2021年 買って良かったプラグイン その0。昨年のおさらいから。