2020年 買って良かったプラグイン その4 「Solid State Logic X-Saturator」

今年買ってよかったプラグイン、第4回目は、SSLのサチュレーションプラグイン「X-Saturator

Solid State Logic(SSL) X-Saturator
このX-Saturatorは、Harmonicsノブで2nd倍音と3rd倍音をコントロールして倍音を付加して、ドライブで歪み感を、Depthで振れ幅をコントロールして、Shapeでエッジ感をコントロールするというプラグイン。mixノブもあるので、処理の混ぜ具合も調整できる。さらに、+6dbボタンで追加ヘッドルームを持たせることも可能。

この手のサチュレーション・ディストーションプラグインっていうのは、アナログサチュレーションのエミュレーター。
ものすごく乱暴に簡単に説明すると、オーディオインターフェイスやミキサーにインプットして、ゲインを上げていくと、徐々に音が歪んでいくよね?ソレのこと。さらに激しく歪ませるとディストーションという言葉に変わっていくのだけど、まぁ、詳しくはgoogleで検索すると、図解で説明してくれてる人も結構いたりするので、そちらを参考に。

■ギリギリを狙う。
30年近く前、某楽器メーカーの人に「シンセはヴォリュームフルにした時に一番音が良いように作ってるんです」って言われたことがあって、それ以来、シンセはヴォリュームフルで、ミキサー側のHA部分(Gain)で歪むか歪まないかのギリギリのところを狙ってセッティングしてからレコーディングするように心がけている。これが倍音との関係もあるのかって知ったのはのちのちなんだけど、おかげでとても良い音で録れている。(注意:メーカーによって違う)

ただ、それはHAがついているミキサーだから出来ることであって、昨今のようなオーディオインターフェイス直だと、HAを通らずLINEのみで入力する場合もあるからなかなか難しい。さらにプラグインのシンセだとDAすら通らないし、単純に音量を上げるとデジタルクリッピングしちゃうので、クリッピングしないように綺麗に録る必要があるよね。

こうなるとアナログ的な歪み感は一切付与されないから、このX-Satutratorを使って、クリーンな状態の音を、アナログの暖かみやエッジが加わった、アナログ機器を通したかのような音に仕上げていくのだけど、これがとても自然なアナログ感が出るところが気に入っている。

このプラグインで、歪むか歪まないかギリギリを狙う。
これがすごく良い音。Harmonicsの3rd側(トランジスタ)の方がSSLっぽいので、ついついそっち側多めにしてしまうんだけど、これはもう間違いなく求めてるサウンド。

■この手のプラグインは、何種類持っていても困らない。
SSLって、ブラックフライデーと関係ない時(ちょっと早めに)に、プラグインの中から1つだけ安売りする時があるんだけど、今回もこの時にゲット。多分、その時にTwitterでも書いたと思う。

で、なんで何種類持っていても困らないのかっていうと「それぞれでかかり方が違うから」っていう単純な話。アナログ機材っていろんな種類があるよね。プラグインだって同じサチュレーターでもいろんな種類があるので、音によって、場合によって、曲によって、使う種類を変えるのがいい。ものによっては、HA(NEVE1073のエミュレーターとか)系プラグインや、コンプだって似たような倍音の付加をするものもあるので、やり方もプラグインも人それぞれ。人というか音それぞれ。かな。

X-Saturatorは、そんなにすぐには歪まないからコントロールしやすいっていう部分が、他とは違うかなと思うので、それぞれのやり方を見つけてみるといいかも。

ではでは。


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