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2022年 買って良かったプラグイン その1「Cherry Audio Dreamsynth」

2022 年 11 月 4 日 金曜日

▶️Cherry Audioというメーカー。

低価格シンセがメインでありながら、音もなかなか良くて使い勝手のいいシンセを作るメーカー。
一昨年から始めた、この「買ってよかったプラグイン」シリーズでは、毎年何かしら紹介しているし、他のメーカーと比べて、とにかく安いので、持ってる人も多いかもしれない。
最初の頃は、アナログシンセのエミュレーションプラグインを作ってるメーカーってイメージだったけど、このDreamsynthから、そのイメージも変わったので今年も取り上げた。

Dreamsynth

エミュレーションではなく、Cherry Audioのオリジナルシンセで、今年3月にリリース後すぐに買って使い倒している。
1つのオシレーターごとに、2つのWAVE(VAとPCM波形)を混ぜて使えるというデュアル波形オシレーターが3系統。さらに、フルポリフォニックのアナログストリングスオシレーターも付いた合計4系統のオシレータを使って音を作るという、ゴリゴリのPCMシンセ。
この辺のVAとPCMのハイブリッド感は、ちょっとRolandっぽいのかもしれないなと。

PCM波形は、Ensoniq ESQ-1、KAWAI Kシリーズ、SCI Prophet-VSなどからサンプリングされたもの。
全体的になんとなくEnsoniqの香りがする音が多い気がするんだけど、最初に名前が来てるあたり、比較的多めにサプリングされてるのかもしれないね。
フィルターはOberheimスタイルの-12db/オクターブ・マルチモード。モジュレーションも、エフェクトも充実。もう言うことなしのスペック。
あと、去年紹介したEight Voiceもそうだったけど、バカでかいインターフェイスなので、すべてのノブが見えてるのがイイ。1画面で見渡せるのは非常にやる気にさせるよね。

いやー、ほんとにPCMシンセって大好きで。
Dreamsynthは、生楽器はほとんど入ってなくて、シンセオシレーターばかりなんだけど、それを自由に組み合わせて作られている音は、アナログシンセやFMシンセとは全然違うモノ。
そこがさらにCherry Audioならではの独特の世界観を押してる気がする。

願わくば、次のバージョンでオシレータをさらに増やしてもらえたらと。そうしたらさらに音色の幅が広がるだろうと思う。期待したい。

お求めはbeatcloudで。

■20221119
・Ventura対応のVer.1.4.0がリリース。

🔽Cherry Audioは、先日、4opのFM音源「Sines」をリリースしたばかりだが、さらに11/22に新製品をリリース予定。渋谷の風景だし、Blade RunnerっぽいのでCS-80かな?こちらも期待したい。

▶︎ブラックフライデーセールはあったらお知らせします。

2021年 買って良かったプラグイン その2「GForce OB-E」と「Cherry Audio Eight Voice」

2021 年 11 月 25 日 木曜日

▶️今年はOberheim 8Voiceが相次いでプラグイン化された年。

Oberheim 8 Voiceは、1977年にリリースされた、SEMモジュールが8基搭載されたアナログポリシンセ。本当にSEMモジュールをスタックさせたゴッツイ筐体で、ボイスごとに完全制御できるのも特徴。日本では、YMOのライブで矢野顕子さんが弾いていたので、ご存知な方も多いように思う。海外だとHerbie Hancockあたりだろうか。4Voiceの方は、わりと沢山の人が弾いてた記憶があるよね。

そんな8 Voiceを、2つのメーカーがソフト化。一つ目は、プラグイン黎明期からのメーカー「GForce」。二つ目は、昨年からプラグインのリリースを始めたばかりの「Cherry Audio」。それぞれ違いはあるけど、どちらもちゃんとOberheimの音がしているので、今回は、そのどちらも一挙に紹介。

GForce OB-E

「どちらが好きか」と聞かれたら、間違いなくこっちと答える。リリースされたのは今年2月。立ち上げて音出した瞬間から、「ヤバイ」としか言いようのない音がしていてる。この音の分厚さ、この揺れ感、SEM1基にしてもこの太さ、間違いなくこのシンセでしか出ない音。特にPAD系や8Voiceをモノでユニゾンで鳴らした音とか、本気で素晴らしい。

もともと「GForce」は、2000年からリリースしているものすごく息の長いメーカー。初期から「音が良い」プラグインとしても有名だった。特にFilterの出来はそれまでのソフトシンセとは一線を画すもので、当時は、ゲームチェンジャーだったように思う。「このFilterがソフトで出るならソフトでいい」と思えた初めてのプラグインでもある。「impOSCar2」は今も現役で使ってるし、minimoogをプラグイン化した「MININONSTA」も最高。そんなメーカーが、2年の開発期間を経てリリースしたものなので、悪いわけが無いよね。

しばらく日本の代理店も無かったし、新作も無く、周りではあまり使ってる人もいなくて、このまま無くなっちゃうのかな?と思っていただけに、新作が出た今年は本当に嬉しかったよね。その後、日本でもハイリゾリューションが代理店をし始めたので、とても買いやすくなったと思う。

唯一残念なのが、GForceはまだM1 SiliconのNativeサポートをしていないこと。DP11上で立ち上げると、インターフェイスがおかしくなってたり、音が出なかったりする(impOSCarは立ち上がる)ので、GForceのプラグインを使いたい時はDP10(Rosetta)上で弾いてからAudio化したのちに、DP11に持っていくようにしてる。
それって、この方法を使ってでも使いたい音がこのOB-Eにはあるということ。すごい事だよね。使えないならだいたい諦めるのに。
※Rosetta2や、Intel CPUなら何の問題もなく使えます。

▶︎GForceのブラックフライデーは最大75%オフ。これを機会に、この感動を味わってみない?

補足だけど、デフォルトだとUIがとにかくデカイ。なので、OB-Eを全体で拡大縮小したい場合は、一番左上にある三角形のマークで数値を決め、プラグインを再アサインし直しで変更可能。でも、小さくしすぎると今度は文字が見えなくなっちゃうので要注意。各モジュールだけを拡大したい場合は、Zoomを押せばOK。

Cherry Audio Eight Voice Synthesizer

もう1つは、Cherry Audioから。「2020年の買ってよかったプラグイン その7」でも、JUNO-106をプラグイン化した「DCO-106」のブログでも書いたけど、もうとにかく安いのが特徴。今回の「Eight Voice Synthesizer」だって、安くなって3160円だよ?おかしくない?(笑)

とはいえ、安かろう悪かろうではないのが、ここのプラグイン。しっかり押さえてるところは押さえている音の質感。派手さはないけど、堅実。Notch Filterもよく出来てるし、Eight VoiceらしいPADもバッチリ。ツボを押さえたプリセットは330以上。音の太さは、GForce OB-Eに比べると弱いんだけど、その時は、倍音を制御する別なプラグインで補強してあげれば問題ないしね。だって3160円だよ?(2回目)

ちなみに、UIの拡大縮小は、普通にウインドウを引っ張るだけの簡単仕様。もちろん各モジュールだけを拡大することもできるので安心。

こちらもM1 Silicon Nativeは非対応。ただ、きちんと立ち上がりはする(重いけど)ので、DP10上で弾いたあとにAudio化せず、DP11上でPreGenで鳴らすのは出来ると思う。
※Rosetta2や、Intel CPUなら何の問題もなく使えます。

▶︎Cherry Audioは、このブラックフライデーのタイミングでARP QUADRAをソフト化した「QUADRA」、そしてCherry Audioの10個のシンセをバンドルした「Synth Stack 2」もリリース。通常価格からほぼ半額。お得。

🔽どっちを選んでも面白い。

それぞれお値段全然違うけど、機能的には、ほぼほぼ一緒。予算で選ぶも良し、グラフィックで選ぶのも良し、デモソングで判断するのも良し、俺みたいに両方買っちゃって使い分けるのも良しだ。
どちらも早期M1 Silicon対応をお祈りしつつお布施を。