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2020年 買って良かったプラグイン その7「Cherry Audio DCO-106」

2020 年 11 月 26 日 木曜日

今年買ってよかったプラグイン、第7回目は「Cherry Audio DCO-106

Cherry Audioというメーカー。
2周年記念セール中という、比較的近年のプラグインメーカーCherry Audio

Voltage Modularというモジュラーシンセプラグインから始まったメーカーで、今年3月ごろ、最初のコロナ禍のStay Home時期にフリー配布されたのは覚えてる人もいると思う。って、それくらいしか知らないのだけど、そんなCherry Audioが10月にリリースしたのが、この「DCO-106」という、Roland JUNO-106を再現したお手頃価格のお手軽プラグイン。

DCO-106
いつだったか、多分2000年代前半にRoland JUNO-106を中古で手に入れた時、当時のPCM音源のエフェクトバリバリかかった派手な音に慣れてしまった耳には、JUNO-106のプリセットがとてもチープに聴こえてしまったんだけど、DCO-106は、その体験を追体験してしまったプラグイン。(誤解の無いように言っておくと、本物のJUNO-106はとても良いマシン。)

買ってよかったプラグイン その1」で紹介したRoland CloudのJUNO-106は、非常にクリアでレンジが広い音がしてるんだけど、このCherry Audio DCO-106のプリセットは、すごく地味。ある意味、自分の中のJUNO-106の最初の記憶としては地味な方が正しくて。和音で弾くとちょっと濁る感じなのも、EDITしていくとその認識がどんどん変わっていくのも似てるなと。ただ、ハードから鳴ってる!って感はあまり無いので念のため。フィルターを開けば派手めに聴こえてくるけど、あくまでもそれなりに。

普段から良く使う、サビのピアノの後ろでコードを鳴らしてるAnalog Stringsや、Pluck的なDecayの短い音、近年のSynthWaveでも良く聴くリリース長めのSynth PadやSweep系など、JUNO-106のプリセットが全部再現されている。新プリセットも結構使える気がする。16ボイスポリで、ハードには無かったDelayとReverbも内蔵。MPEもサポートという、イマドキなところもマル。
ハードのJUNO-106では、各パラメーターをSysExでコントロールしてたんだけど、そのSysExもDCO-106は受け付けるので、当時の楽曲データをそのまま再現が出来そうなところもいい。確かそういう曲データ、まだ残ってたはず。
中古市場でも実機がどんどんダメになっていってるので、こういう部分のエミュレーションは助かるんだと思う。

ハードシンセ感がもうちょっと欲しいなーという人もいると思うので、そういう人は、先日「その3」紹介したXLN Audio RC-20 Retro Colorのプリセット「Pad Magic」あたりをかけて、それぞれのパラメーターを薄めにすると揺れ感が出ていい感じに。さらにその後に「その4」で紹介したSSL X-Saturatorを入れて調整すると、もうちょっといい感じに。

Roland Cloudが高いよって人は、このDCO-106でもいいのかも。

■先日、「CA2600」というArp2600を再現したプラグインもリリース。
価格もDCO-106と同じなので、とても買いやすいお値段だけど、こっちは未購入。そこまで2600に思い入れは無く…。

Surrealistic MG-1 Plusも無料でゲット。
ホリデーギフトで無料配布中。
元機種はコレ。Liberationや、Rogueと同時期のMoogが作ってるんだけど、Realistic (Radio Shack)という会社から発売された、当時としても非常に安いMoog。音も確かにその時期の感じがするけど、使うかどうかはわかんないなー。このウネリ感は好きな感じだけどね。

では、今回はこんな感じで。
明日はブラックフライデー。次回は最終回。まとめ。

2020年 買って良かったプラグイン その1「Roland Cloud」

2020 年 11 月 14 日 土曜日

先日ふと、「今年買ってよかったプラグインをいくつか紹介するのって面白いかも?」と、思ったので、少しづつ書いていこうかなと。ただ、時間を見つけて書くので、全何回になるのかはわからないけど、気長にお付き合いを。ブラックフライデーとかホリデーセールとかで迷ってる人にはちょうどいいタイミングになるといいなぁと。

とか言っておいて、この第1回目はセールはあまり関係ない「Roland Cloud」から。期待した人ごめんなさい(笑)

先日、EastWestの時にも書いたんだけど、昨年あたりから、プラグインのサブスクが各社から出てきた。デモ版のような制限が無く、すべてのプラグインを隅々まで使えて、思う存分吟味して、本当に自分に合ったプラグインを選べるのは、本当に便利。
このRoland Cloudも、そんなサブスクリプションサービスの一つ。
今回は、買うというよりも「使って良かった」かもしれないけど。

Roland Cloud
数多くのRolandのプラグインが使えるようになるという、夢のようなサービス。

無料、Core、Pro、Ultimateという4種類のプランがあって、プランごとに使えるプラグインの量が違う。
で、Roland Cloudが他のサブスクと違うところは「無料」プランがあるところ。まずは無料で契約すると、30日間はUltimateプランが使える。なんと30日間、すべてのプラグインが使い放題。その30日で、自分に合ったプランを考えてもいいし、無料プランのまま、
Roland Cloudの目玉でもある「Zenology」のLite版を使い続けるのもアリ。

最初は無料プランで始めたんだけど、2ヶ月目からはCoreプランで「Zenology」を使って、D-50を使いたくなったタイミングとZenologyをフルエディット出来る「Zenology Pro」が登場するタイミングが一緒だったので、そこからProプランに移行した。

Zenology
Roland Cloudの目玉、無料プランから使える「ザ・Roland Sound」がいっぱい詰まった音源。

ハードウエアメーカーが作るものには、各メーカー独特の特色がある。このZenologyに関しても例外ではなくて「Rolandの音」がバッチリ表現されているのが嬉しい。そもそも、Roland Cloudを使い始めたのも、その時作っていた曲で「Rolandらしい音が欲しい」というところからだった。あの独特なJUNO系DCO-PAD、Fantasia系、12Str Gtr、128VoicePnoなどなど…。

無料プランでも、Zenology独自のプリセットの量も非常に多く、さらにXVの中から抜粋された(というか、ほぼほぼXV5080?)音色も入ってる。このXVの音色だけでも、一時期90年代後半〜2000年代のR&Bで良く聴いた、求めていたRoland音色が沢山。
Coreプランになると毎月増えるサウンドパックもすべて使えるようになり、ProプランになるとJupiter-8、Juno-106、SH-101、JX-8PなどのシンセをZenology上で再現したModel Expansionsも追加。さらに、「Zenology Pro」では、細かいところまでエディットが出来る。無料プランやCoreプランでも、フィルターやAttack、Release、エフェクトなどの簡単なエディットなら出来るので、深いところまでエディットしなくていいやって場合は、安いプランでもかまわない。実際、Zenology Proがリリースされてなかった時は、それでも十分にRolandらしかったしね。今は、結構エディットしたくなるので、Pro化は欠かせないかなと。

ちなみに、Preset_EのXV Collectionでは、XV-5080音色も入ってるものの、エフェクトが違うので本物とは違う響きをするんだけど、ハードのJVとかでエフェクトをオフった時と同じような感覚だったので、あまり気にならなかった。JV時代から入ってる音色で、使いたい音色もそのままだったので、もうこれで十分だなと思う。
あと、Model Expansionは、JUNO-106にしろJupiter-8にしろ、そのもののプラグインが非常に良い音だと思うので、どうしたってそっちには敵わないなーと。というか、各シンセ風くらいの名前にしておいた方がよかったんじゃないかとも思うんだけど、しばらく使ってみると、別モノだけどコレはコレでいいかなと思うようになってきた。多分エディットすると納得する音色になってくれるのかも。あと、JUNOのコーラスのノイズがしゅわしゅわ鳴るパラメーターがあるのは面白かったしね(笑)

下の画像はZenology Pro。しっかりエディットできる。

D-50
1987年に登場したLA音源。

25年くらい前、音源モジュールのD-550を使っていて、今はこのDシリーズの、D-110(D-110は今もってるので3台目)がある。
で、DシリーズのいかにもRolandらしい「Soundtrack」っていうPAD音色が、残念ながらZenologyに入っていなかったので、Proプランにして、D-50を使うようになった。個人的に「Fantasia」より「Soundtrack」の方がRolandらしい気がしてるんだけど、みんなはどうだろう?
他にも、当時使っていた音色が沢山入っていて、それを覚えてるからかとても扱いやすい。
新音色もなかなかグッド。

前にハードのBoutique D-05が出た時に、欲しいなと思ってたんだけど、エディットを考えるとRoland Cloudが正解かもしれないね。
ちなみに、D-50とD-110の音色は結構違うのは言うまでもないけど、どっちも良いシンセ。

Anthologyシリーズ
「Concerto」という、サンプラー的なプラグインで読み込むシリーズ。

Proプランにすると、この「Concerto」で読み込めるいろいろな音色が使えるんだけど、一通り使ってみて、結局このAnthology1985、1986、1990、1993だけを残して削除した。まだ減らすかも。
基本、Zenologyだけでいいと思っていたので、あまりリアル系音色は求めていなかったのと、SSDの容量の問題もあるしね。

そんな中でも、一番思い出深いのが、Anthology 1985
α-Juno、MKS-50のプリセットを完全にサンプリングしたライブラリで、本当にそのものの音がする。
実は、一部の音色は自分でもサンプリングしてFalcon用として残してあるんだけど、まったく同じ音だったので笑ってしまった。
いやー、やっぱいいね。

しかし、なんで売っちゃたんだろうなぁ…。

JUNO-106
Ultimateプラン、もしくは単体で買えば使えるJUNO-106。すごい使いやすい。本当に良い音。

CoreやProプランでも、月替りでUltimateプランで使えるプラグインの中から無料でいくつかが使えるんだけど、11月はJUNO-106とJupiter-8。
この2つのPLUG-OUTシリーズプラグインは単体で欲しいくらい。
Ultimateプランで使いたいのは、まさにこの2機種だけなので、さすがにUltimateにするのはどうかと思うんだけど、個別に買えるLifetime Keyがセールになる日を夢見つつ。

■そんな感じで

「2020年 買って良かったプラグイン その1」いかがでしたでしょうか。
1エントリにつき1プラグインではなくて、複数書くことも多いと思うけど、その2もまた近々。
ではでは。

■2021.09.03追記
・Proプランの内容が変更になりました。D-50、TR-808固定ではなく、Legendaryの中から好きな音源を2つ選べるようになりました。