ルーツ。

先日、父が亡くなりました。
84歳の誕生日直後のことで、父にとっても家族にとってもあっというまの出来事で、コロナ禍で数年会えなかったこともあり、正直、まだあまり実感がないのですが、こんなご時世なので、先週末、家族と近所にいる親類のみで葬儀をして、そのまま東京に戻ってきました。

父は、栃木県の塩原(今の那須塩原市)や、九州の福岡市にある視力障害センター、所沢のリハセンターなどで長年教員をしておりました。目が見えないということもあり、早いうちからパソコン(PC9801シリーズ)と音声合成の読み上げ機や点字ソフト(確かAOKやブレイルスターという名前だったと思います。)を導入して、教材の製作をしたり、私が書類の読み上げを手伝うなどもしておりました。大量の辞書が入ったハードディスクも早いうちに導入したりしてたので、私のパソコン好き、新し物好きはこういうところから来てるのかもしれません。

父の趣味は、大きなスピーカーのステレオセット(アンプ、チューナー、レコードプレーヤー、カセットデッキなど、それぞれ単体の)を持っていて、レコードやラジオを、そのステレオで聴くというステレオマニアみたいなところがありました。いや、家に夢のマイ電柱とマイFMアンテナを立ててしまうくらいだったので、「みたいな」どころではなかったと思います。

そんなステレオシステムで、クラシックを中心に沢山の音楽を聞いて育ちました。今、私が音楽を職業にしているのも、小学生の頃に父が聴かせてくれた、冨田勲氏の「惑星」という、全編シンセサイザーで作られたレコードから始まってます。このことは、以前にブログで書いたので、ご存じな方も多いと思いますが、父がこのレコードを聴かせてくれたからこそ、シンセサイザーに興味をもって、今へと繋がっています。
そうそう、そういえば写真(カメラ)も父の影響ですね。

私が学生時代は、お互いが頑固者なので衝突もあったりしたのですが、本当に尊敬できる、仲の良い父でした。
晩年は、猫と戯れたり、ラジオで聴く野球(巨人ファン)に一喜一憂したりと、毎日のんびり暮らしておりました。

東京出身の父のいつもの江戸弁が、今でも聞こえるような気がします。

※写真は、数年前の父の後ろ姿とミーちゃん。


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