UVI WaveRunner.

waverunnerPPG Wave、360、Waldorf MicroWaveXTなどをサンプリングし、UVI内でシンセサイズした、新しい7つの音源パッケージ、WaveRunnerが発売されました。
恒例ですが、今回もオフィシャルデモソングを作りました。
 
 現在のWalforf製品の元になったのが、このPPGというドイツの会社です。PPG倒産後、社長のウォルフガング・パーム氏がWaldorfを立ち上げました。今でも彼が作ったWaveTableという音源方式はとても好まれていて、PPG waveシリーズ、Waldorf microwaveシリーズ、 WAVE、Q、blofeld、largo、SCI Prophet-VS、KORG WAVESTATION、YAMAHA SY22/33、iPad用PPG Wave Generatorなど、沢山の機種、ソフトで使われてます。よく比較されるPCM音源と違うところは、オシレーターとなる波形が非常に短いサイクルでループされて生成されている事でしょうか。また、それによって発生するエイリアシングノイズを意図的に使った音色などもとても面白いんですが、今回はそんなWaveTable方式にこだわったソフトシンセです。
ちなみに、自分は、Waldorfシリーズは使った事があるのですが、PPGはソフトしか使った事が無いです。

WAVERUNNER_20■Wave Runner 2.0
 PPG wave 2をサンプリングした音源。青くても古そうなインターフェイスが特徴です。8bitシンセサイザーで、確かMIDIが付く前の機種でCVで制御されてたデジタルシンセで、フィルターはVCFでした。個人的には多分見た事がありません。
 実は今回一番気に入ったのがこのシンセ。8bitの荒さもさる事ながら、現代的なプリセットの出来がとても良かった。PPGのイメージってソフトシンセのPPG Wave 2Vの薄いペラっとした感じしかなかったので、それを思い描いてたら、ものすごく良い意味で裏切られてしまった。確かに決して太くはないのですが、芯がある音がしてます。また、初期WaveTableの独特な短いループ感でLFOがかかってるような効果が出てる音があるのも懐かしく、とても新鮮でした。デモでは、イントロから鳴ってるシーケンスはコレのプリセットです。

WAVERUNNER_23■Wave Runner 2.3
 PPG wave 2.3をサンプリング。12bitシンセサイザーで、2.0、2.2と出たあとにMIDI装備、かつ12bitという、一歩進んだものになってます。近年では、Waldorfからソフトシンセで出てるので、馴染みのある人もいると思います。個人的には使ってみた事はありますって程度なので、こんな感じかなーという印象。印象は2.0より奇麗な音なんですが、ソフトシンセの感じではなくて、ちゃんとDA通った芯のある音がしてます。こちらも現代的なプリセットと当時のプリセットが混ざった感じになってます。RAWパッチでオリナルの音も入ってますね。

WAVERUNNER_360■Wave Runner 360
 この機種は知らなかったんですが、Youtubeで検索してみたら、プリセットが同じ音が鳴っててニヤっとしてしまいました。PPG 360 WaveComputerは、PPG Waveより前の機種で、パソコン+WableTableシンセの340/380、それと350は、トーマス・ドルビーが使ってた事で有名かもしれません。シングルWaveTableのシンセですが、当時はフィルターは搭載されて無かった模様です。こちらもパッチは新しいのと古いのと混ざってます。

WAVERUNNER_ORANGE■Wave Runner Orange
 その昔、楽器屋で何度も悩み、結局買わず、借りただけですぐ返してしまって、あの時買っておけばー!と何度も思ったシンセ、Waldorf MicroWave XTをサンプリングしたOrangeです。見た目がもうそのままなのですが、大きな赤いノブが、MonoModeの切り替えボタンになってるのはちょっと笑ってしまいました…。MicroWaveと言えば、時間軸で音色が変化する事や、弾きながらオシレータを切り替えていったりするのが楽しく、かつ、面白い効果が出るのですが、残念ながらサンプルプレイバック+αの機能なのでそこまでは出来ません。また、Waldorfらしいフィルターも、モデリングはされてないので、あの、キュイーーーーンとした感じの音は出ません。ただ、レゾナンスを最高値にして、カットオフしていくと、ちょっとだけ似た感じになる気がします。とは言え、とても良い音なのはさすがです。デモ曲では、ジュワーンとしたPADサウンドをメインに使ってます。

WAVERUNNER_X■Wave Runner X
 各シンセのWaveTableを使用したまったく新しいシンセです。個人的には、今回の目玉はコレなんじゃないかと思ってます。とても沢山の現代的なプリセットが入ってるので、かなり使いやすいシンセです。2オシレータなので、大量のPPG/WaldorfのWaveTableを自由に組み合わせて1から音が作れます。とても強力デス。今回のデモではLEAD系や途中から出てくるPAD、Bell系などで使ってます。見た目のノブがWaldorfノブなのもイイです。もちろん逆流はしませんよ(笑)
 Orangeで書いた、弾きながらオシレータの切り替えも出来る事は出来るんですが、微妙な読み込みのタイムラグと切り替え時のプチノイズで現実的かどうかわかりません。ものすごい速いハードディスクを使ってる場合ならなんとかなるかも?
 
WAVERUNNER_TD■Wave Runner Terminal D
 ドラムからSEまで、オーソドックスなLo-Fiサウンドが詰まってます。今回のデモのドラム関係はすべてコレです。

WAVERUNNER_TU■Wave Runner Terminal U
 マルチトラックシーケンサーとの事なので、DarklightのPage Uと同じ感じの3パートのSTEPシーケンサーです。

 
今回も公式デモソングです。
UVIWorkstation2のみ。全20Trackです(ドラムを分けてる為多いです)。

また、先日アップした、クラゲムービーの音楽は、実はこのWaveRunnner2.0のみを使って作ってます。ローファイ感いいでしょ?

気になる!という方は、今すぐにUVIからダウンロード購入を。お値段は$299。日本語サポートが受けられますので、安心して購入出来ますよ。
使用するには、最新のUVI Workstationが必要です。

ではでは、そんな感じで。


タグ:

コメントは受け付けていません。