各UVI製品の似てる似てない。 #UVI

※最初に言っておきますが、あくまでも個人的な見解です。

 さて、UVI製品は、基本的にはサンプリングです。音源そのものの方式をモデリングしているわけではないので、実機をサンプリングしたものを、UVIエンジンを利用して加工、さらにUVIエンジンのシンセシスを利用して、音を付加させて1つのプリセットを作り出してます。どういう機材でサンプリングされてるかはUVIの人間ではないので正直よくわかりません。音の傾向から、毎回その時々によりけりなのかなという気はしてますが、何らかのDI→HA→コンプ(さらにはEQも)をし、その後ADした音なのではないかと思われます。例えば、Beat Box Anthologyの説明文には、Stering SoundのChris Gerhinger氏がマスタリングしたという記述があります。毎回ここまでやってるかどうかは定かでは無いですが、似たようなところまでやってるのではないかと思われます。

 とても良く聞かれる事なのですが、「元の機材の音を知っているけど、UVI製品から出る音と何か違う」とか、「あれ?こんな音出たっけなー?」と思う事があると思います。確かにその感覚には間違いはないと思われます。その機材の出音に対してUVI独自のシンセシスを足してるから。というのもあると思うのですが、そもそも、サンプリングするまでのレコーディング処理が違うと思います。自分で自宅のNEVEで録るのと、スタジオのNEVEで録るとのでは、同じ音、同じNEVEなのにまったく違う質感になります。さらにコンプ感、EQ感で、その音の良さがある程度決まってきます。普段、我々は最高の音で録ろうとしていますが、そういう部分ではUVIも同じではないかと思います。さらには、その録った音をどこからスタート(再生)させるか、どこでループポイントよってもまた音が変わります。この辺も好みなので、自分の好きなようにするにはFalconで細かいEDITをしてしまうのが一番だと思います。レコーディングする時に1db違うだけで違う音に聴こえる時もありますしね。

 個人的には、本気で実機と同じ音が欲しいなら実機を買うべきだと思います。でも、それっぽい音が欲しいとかいう場合、こういったサンプリングしてある方が使い易いと思います。モデリングではなく、サンプリングである事のメリットは、実機のDAを通ってる事です。電気的なノイズも含めて録音、収録され扱い易い音の帯域になります。モデリングのメリットは、その音源そのもののシミュレーションなので1からいじれるという部分でしょうか。UVIエンジンはそのどちらの性質も持っていて、どちらの良い部分も使っている印象です。

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 そんなUVI製品ですが、元のサンプルを確認するために、UVI独自のFilterやエフェクトをオフする事をオススメします。例えば、今回のCAMEO CZをFalconで開き、EDITを押すと、6個のエフェクトが刺さってるのはわかります。さて、もうこれを全部オフってしまいましょう。Filterも同様に。音量はとても下がりますが、聴きなれた実機に近い音が出てきますよね。これが元音です。

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 こちらはエフェクト画面です。一画面に表示できなかったので分割です。UVIらしい音にしている原因は、エフェクトにある気がします。個人的には、UVIのPHASERがあまり好きではないので、毎回オフにするか、とても薄くかけるようにしましてます。このPHASERがあるだけでもUVIらしい音になってしまいます。

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 エフェクトの一番最後にかかってるのはMaximizerです。これも容赦なくオフです。ハードシンセでも最終段にリミッターがかかってるのを良く見かけますが、このマキシマイザーこそパツンとした音になる最大の原因なのではないかと思います。オフにする事でかなりダイナミクスが戻ってきます。もちろん、すべての製品にインサートされてるわけではないのですが、昨日発売したCAMEOを、Falconで見ている限り、そんなところかなと思います。

 CAMEOに限らず、エフェクトオフは、すべてのUVI製品に有効だと思いますので、ご自身でチェックしてみてください。
 - 20:13追記です。あとはADSRが実機と違うと思います。FilterやampのADSRが違うだけで結構違います。実機と同じようにしたいのであれば、やはりご自身でいじってみてください。多分追い込めます。

 という感じですが、少しは参考になりましたでしょうか?UVI Workstationだけではわからない部分も、Falconを使う事で見えてくる部分もあります。
 まー、音楽はもちろん、音は好みなので、自分の好きなものを使い、自分の好きなようにいじってしまうのがいいんじゃないかと思いますけどね。実際、ソレっぽい音であれば、曲中に混ざってしまえば、案外わからないものですしね(笑)
 自分が使う場合、完全にそっくりじゃなくても良いのです。頭の中にあるその機材の質感が似てれば。


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