DP8とPre-Gen.

DP8_pregen_2 MOTU DP8(というかそれよりかなり前のバージョンから)には、「リアルタイムに処理しないトラックは、プラグインウインドウを閉じたら気が付かないうちにプリレンダリングして、処理を軽くする」という「Pre-Gen Mode」というのが存在する。これをオンにしておく事で、例えば、弾き終わったソフトシンセのウインドウを閉じて、そのソフトシンセのMIDIチャンネルのRecをオフにしておけば、自動的に「見えないフリーズ」がされて、そのソフトシンセ自体のCPU処理がほぼ無い状態にする事が出来る。逆にRecをオンにしたり、ウインドウを開きっぱなしにする事で、リアルタイム処理をするようになる。これは、ソフトシンセに限らず、すべてのプラグインに適用される、とても便利で、とても魅力的な機能…なはず…なのですが、これが、どうも特定のサードパーティプラグインで使うと、どうもたまに誤動作をする模様。

 今日(昨日か)の場合はWAVESのCLA2A。プリプロ中、歌い終わってラフミックスを作っていると、Vocalトラックの一部で、結構大きな音の「ブッ」という音。いろいろ調べてみると、英語の破裂音が、そこだけ強調されて大きな音量で出てしまっていて、不快なノイズになってしまっていた。波形的にはものすごく小さいし、単音で聴いてみてもノイズが出ないので、解せないと思いつつ、そこだけクロスフェードで処理をしてみても、やはり一向に変化なし。悩みながらも違うトラックを処理してると、いつのまにかノイズが一切無くなっていた。その時は「なんで?」と思っていたのだけど、これは、このトラックのプラグインウインドウが開いてなかった or Recモードではなかったので、クロスフェードをかけても、即座にプリレンダリングが行われなかった為に起こった現象だと思われる。試しに、同じトラックのプラグインウインドウを開いた状態で再生してみると、小さい破裂音は小さいまま、何の不快なノイズもなく快適だった。この現象は、他のWAVESを使ってる時にも同様の事が起こったので、もしかするとWAVESとPre-Gen Modeの相性がいまいちなのかもしれない。

 それから、エフェクトプラグインでリアルタイムに処理するプラグインでも注意が必要。今日はまったく使う必要性がなかったプリプロだったのだけど、例えばAuto-Tuneをオートで使用している場合。一度ウインドウを閉じてしまうと、その時点でプリレンダリングされてしまうので、波形をちょっと変更した時などもリアルタイムで変更されない。もちろんAuto-Tuneのウインドウを開いておけばOK。

 で、Pre-Genを回避する方法は2種類。1つ目は、いちいち考えるの面倒くさいし…という場合、Preference画面(上右)で、Real-Timeにセットしてしまえば、一括でリアルタイムに変更可能。ただし、CPUパワーがより必要になるので要注意。2つ目の方法は、各プラグインの右上の▼から、プラグインごと個別にReal-Timeへ切り替えが出来る。一部のトラックのみリアルタイム処理したい場合で、CPUパワー重視の場合は、こちらの方が有効かもしれない。

 ついでなので、すべてリアルタイムか、Pre-Gen使用かで音質も比べてみた。気分的なものなのかもしれないが、明らかにリアルタイムの方が音が良い気がする。歪んでたところも歪まない…。ナンダコレ…。よく考えてみれば、仮でフリーズトラックしてるだけなので当たり前の事なんだろうけど、これは知らなかった。何かいろいろやり直したい(汗)

 というわけで、うちでは、今からAll Plug-ins in Real-Timeでやってみようかと思います。でも、CPUパワー的に無理そうであれば、個別でPre-Genをオンオフしてみようかと。それか、作曲してる最中はPre-Genオン、トラックをAudio化して、MIXにいくにつれて個別にオフしていくという方法もアリかなと。

 それにしても、DP7の時は、ソフトシンセはともかく、Audioトラックで、ここまでPre-Genを意識する事ってなかったと思うんだけど、DP8になって、64bit化して処理方法が変わったとかそんな感じなんだろうか。謎は深まるばかりだけど、何にせよ、原因がわかって良かった。明日からまた頑張ります。


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